仕組みから解説!エコキュートのメリット・デメリット
公開日: 2023/06/15 最終更新日: 2023/07/05
電気代の度重なる値上げで、電気代を節約するためにエコキュートの導入を検討している方は多いでしょう。しかし、エコキュートには電気代の節約意外にもメリットはありますが、その一方でデメリットもあるため知っておいた方がよいでしょう。そこで今回は、エコキュートの仕組み、エコキュートのメリット・デメリットを解説します。
エコキュートの仕組みとは
エコキュートはどのような仕組みでお湯を沸かしているのでしょうか。ここでは、エコキュートについて解説します。
エコキュートとは
エコキュートとは、ヒートポンプ技術を利用して、空気中の熱でお湯を沸かす電気温水器のことです。ヒートポンプ技術とは、大気中などの熱を集めて大きな熱エネルギーとして利用する技術のことで、エアコンなどにも利用されています。
エコキュートは、電気代の安い夜間の電力を使用してヒートポンプユニット内でお湯を沸かし、貯湯タンクにお湯をためているため経済的です。
エコキュートの仕組み
エコキュートは、ヒートポンプユニットと貯湯ユニットで構成され、空気の熱をヒートポンプユニットの熱交換器に取り込みます。取り込まれた熱は、CO2を冷媒として圧縮機に運ばれて高温になります。
高温になった冷媒は、ヒートポンプユニット内の水熱交換機で熱を水に伝えることでお湯に変化します。水熱交換機で熱を奪われた冷媒は、膨張弁に運ばれて低温になります。
低温になった冷媒は、空気の熱を取り込むために空気熱交換器に戻ります。貯湯ユニット内の貯湯タンクに貯められたお湯は、水を混ぜることで設定温度に調節し、浴室やキッチンなどで使用できる仕組みです。
エコキュート導入のメリット
エコキュートを導入するとどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、エコキュート導入のメリットを解説します。
光熱費の削減
エコキュートの最大のメリットは、ガス給湯器を使用するよりも光熱費が削減できることです。エコキュートは、ガスよりも割安なプランの夜間電力を使用し、少ない電気量でお湯を沸かすことができるため、省エネであまり電気代がかかりません。
お湯を沸かすための電気代は、ガス給湯器でお湯を沸かすガス代の3分の1~4分の1といわれています。また、ガス代もかからないため、光熱費の削減に有効です。
地球環境にやさしい
エコキュートは、ヒートポンプ技術を利用しています。ヒートポンプは、再生可能エネルギーである大気中の熱でお湯を沸かすため、地球環境にやさしく地球温暖化を防ぐことに貢献可能です。
また、HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)に対応しているため、エネルギーの見える化ができ、家庭で使用する電気エネルギーの管理ができます。
タンク内のお湯を非常時に使える
自然災害で断水するなどの非常時に、貯湯タンクにお湯がたまっていると、そのお湯を生活用水として使用可能です。
災害時にないと一番困るものとして挙げられるのが、水といわれています。そのため、貯湯タンク内のお湯を使用できるという点では、防災面で非常に有効的です。貯湯タンクには、非常用取水栓が標準装備されているため、簡単にバケツやポリタンクに汲むことができます。
エコキュート導入のデメリット
エコキュートを導入するとメリットがある一方でデメリットもあります。ここでは、エコキュート導入のデメリットを解説します。
初期費用が高い
エコキュートを導入する初期費用は3つあり、本体費用、電気工事費用、水道工事費用です。エコキュートの本体価格は3~5人用のもので60~100万円くらいが相場です。
エコキュートを設置するための工事費用は、電気工事と水道工事で10万円以上はかかります。そのため、どうしても初期費用は高額になるので、お湯の使用量があまり多くない家庭であれば、経済的メリットは少ないでしょう。
使い過ぎるとお湯切れになる
基本的にエコキュートは、電気代の安い深夜にお湯を沸かし貯湯タンクにためておくものです。そのため、貯湯タンクのお湯を使い切ってしまうとお湯切れになり、水しか使用できません。
水をお湯に沸かすには、かなり時間がかかるため、しばらくお湯が使えない状態になります。お湯切れにならないように、適切な容量のエコキュートを選ぶことが重要です。
深夜に室外機から運転音が発生
エコキュートは、室外機でお湯を沸かすため、寝静まっている深夜に稼働する室外機から運転音が発生します。運転音自体は、40デシベル程度で静かな図書館と同じくらいですが、無音ではありません。わずかな音でも気になる方はどうしてもいるため、設置場所などを工夫する必要があります。
まとめ
エコキュートとは、ヒートポンプ技術を利用して、大気中の熱でお湯を沸かす電気温水器のことです。夜間にヒートポンプユニット内でお湯を沸かし、貯湯タンクにお湯をためておくことで、日中でも浴室やキッチンなどでお湯が使用できます。
エコキュートを導入するメリットは、光熱費の削減、地球環境にやさしい、タンク内のお湯を非常時に使用できることです。デメリットは、初期費用が高いこと、使い過ぎるとお湯切れになること、深夜に室外機から運転音が発生することがあります。